32236 鉄道コレクション 福井鉄道200形(203号車 保存車)

福井鉄道200形（203号車）は、福井鉄道（福井県を走る鉄道会社）が運行していた電車です。保存車として現在は福井県内の鉄道博物館で展示されています。

200形は、1930年代初頭に日本車輌製造で製造された木造車体の電車です。福井鉄道では唯一の木造車体を持つ形式です。車両番号203号車は、この200形シリーズの中で最初に製造されました。

この車両は、当時の一般的な形態であるロングシート（長椅子）で、扉は手動で開閉されました。また、車内にはスチームヒーターと呼ばれる暖房装置が設置されていました。当時の福井鉄道では蒸気機関車が主力であったため、蒸気発生装置によって暖房が行われていました。

しかし、戦後の日本の鉄道は急速に発展し、蒸気機関車から電車への置き換えが進みました。福井鉄道も1951年に初の直流電車を導入し、200形も徐々に時代遅れになっていきました。

そのため、福井鉄道の200形は1957年に運行を終了し、203号車も廃車となりました。しかし、車両保存のために福井鉄道は203号車を留置し、後に福井県内の鉄道博物館に寄贈されました。

現在、203号車は鉄道博物館で展示されており、当時のままの姿を保っています。訪れる人々が、福井鉄道の歴史や昔の電車の姿を知るための貴重な資料となっています。