キハ82とは、日本の国鉄（現在のJR）が使用していた気動車（ディーゼルカー）の一種です。正式な形式名は「キハ82系気動車」であり、キハ82はその中での特定の車両を指します。

キハ82は、1958年から1961年にかけて製造され、主に中距離や地方路線で使用されました。車体は全長20メートル程度で、軽量な設計が特徴です。初期のキハ82は全金属製の車体を持ち、後に製造された車両では鋼材とアルミ材の組み合わせとなりました。

また、キハ82はディーゼルエンジンを搭載しており、動力は車体下部の台車から伝えられます。初期の車両ではエンジンの出力が比較的低かったため、最高速度は約100 km/h程度でしたが、後に製造された車両では出力が増強され、最高速度は120 km/hに向上しました。

キハ82は、客室もしくは客席が設けられた車両で、通勤や観光、地方路線などで使用されました。座席や窓は、当初は木製であったが、後にプラスチックやアルミニウム製に置き換えられました。また、一部の車両ではトイレや車椅子対応のスペースなども設置されていました。

キハ82は、1970年代以降に新しい車両が登場したことや、電化に伴う需要の変化により、徐々に運用から退いていきました。現在では、一部の地方私鉄や観光鉄道で保存・運行されているものもありますが、一般的な鉄道路線で見ることは少なくなりました。